蝕で仲間を捧げるに至ったグリフィスの感情がヤバイ…

『ベルセルク』:『蝕』で仲間を捧げるに至ったグリフィスの、ガッツに対する「愛憎と執着」の深層

ダークファンタジーの金字塔
『ベルセルク』において、
物語最大の悲劇であり
転換点となった
『蝕』
の謎に迫る考察動画です。

常に冷静沈着で
自らの夢(国を手に入れること)へ
突き進んでいた天才グリフィスが、
なぜ最愛の仲間たち(鷹の団)を
贄として
神に捧げる決断を下したのか。

その根底にある
「ガッツに対する
あまりにも異常で
深い感情(愛憎と執着)」
をいくつかの決定的なシーンから
鋭く読み解いています。

1. ガッツという「唯一無二の特別」:冷静さを失うトリガー

グリフィスは
他の鷹の団の団員
(キャスカ、ジュドー、ピピン、コルカスら)
を自らの夢を叶えるための
優秀な「手駒(道具)」と割り切っていましたが、
ガッツに対してだけは
最初から全く異なる
特別な感情を抱いていました。

初陣での不合理な行動

ガッツの鷹の団としての初陣の際、
しんがり(殿)で孤立し
苦戦するガッツ一人のために、
グリフィスは団長自ら命の危険を冒して
救出に駆けつけます。

全体を統率する長としては
極めて感情的で不合理な判断でした。

使徒ゾッド戦での告白

さらに、
不死の使徒ゾッドとの戦いでも
身を挺してガッツを庇い、
自身が死にかけるほどの大怪我を負います。

後にガッツから
「なぜあそこまでして助けたのか」
と問われた際、
グリフィスは
「俺がお前のために
体を張ることに、
いちいち理由が必要なのか」
と言い放ちました。

これは、
「お前のことになると、
自らの大切な夢や理屈すら忘れて
体が動いてしまう」
という、
親友以上の強烈な感情の告白そのものでした。

2. 去りゆく者への狂気:手に入らないなら「ストーカー」のごとく

グリフィスの有名な
「お友達論」
(対等な友とは、
他人の夢にすがらず
自らの生きる理由を持つ者)
を立ち聞きしたガッツは、
彼と対等になるために
団を去る決意をします。

しかし、
いざガッツが去ろうとすると、
グリフィスは
異常なパニック(執着)に陥り、
剣を抜いて引き留めます。

その技量から
「下手すれば殺してしまうかもしれない」
と自覚しつつも、
「手に入らないなら
(他人のものになるくらいなら)、
いっそ殺してしまっても構わない」
と極端な思考にまで突き詰めていました。

動画内では
「振られてストーカー化した男のよう」
とも例えられています。

このガッツの喪失による精神崩壊が、
グリフィスの逮捕と拷問による
没落の原因となりました。

3. 深層心理の変転:地下牢での憎悪と「首絞め」の真実

地下牢での独白

1年間に及ぶ凄まじい拷問の最中、
グリフィスの精神を
辛うじて繋ぎ止めていたのは、
やはりガッツの幻影でした。

抱擁の裏の殺意

ついにガッツたちが地下牢へ潜入し、
ボロボロになったグリフィスを救出して
ガッツが彼を強く抱きしめた際、
朧げな意識の中で
グリフィスは
ガッツの首元へ手を伸ばし、
首を絞めようとする描写がなされています。

(傍らでそれを見たジュドーが
驚愕の表情を浮かべる演出からも、
明確な殺意が窺えます)

最愛であり特別だった存在が、
自分を置いて勝手に離れていったことに対する
「激しい逆恨みと憎悪(愛憎の反転)」が、
すでにこの時点でピークに達していました。

4. 単行本未収録!雑誌連載時の「幻のセリフ」が示す決定打

動画内で最も注目すべきポイントとして、
ヤングアニマル(前身含む)の雑誌連載時と、
単行本(12巻〜13巻)とで
グリフィスのセリフが
修正されている事実が紹介されています。

『蝕』の直前、
馬車から転げ落ち、
ベヘリットを手にする
絶望の瞬間に
ガッツが駆け寄ってきます。

単行本では
「来るな…今お前にお前に触れられたら、俺は二度とお前を……」
と途切れていますが、
実は雑誌掲載時には
その後に「許せなくなる」という言葉が
はっきりと続いていました。

すなわち、
グリフィスは『蝕』を起動する
あの極限の絶望のなか、
「今ここでまたお前の優しさに触れられ、
お前にすがる(敗北する)ようなことになれば、
俺は自らのプライドにかけて、
お前への憎しみを
一生消せなくなる(許せなくなる)」
という、
逃れられない愛憎の葛藤に苛まれていました。

5. 結論:グリフィスのガッツへの感情は「性愛(惚れていた)」の領域

解説者は、
グリフィスがガッツに向ける執着の本質は、
友情やカリスマという言葉を超えた
「純然たる性愛・恋愛(惚れていた)」
の領域に到達していたと
確信を持って考察しています。

キャスカとの情事の最中

王女シャルロットと
肉体関係を結ぶまさにその最中に、
グリフィスの脳裏をよぎっていたのは
ガッツの姿であり、
情事の後にガッツが残していった
剣の傷跡に触れながら
涙を流していました。

ジュドーの伏線

ガッツの初陣時、
グリフィスが彼を馬の後ろに乗せて
語りかけた言葉と
同じニュアンスのセリフを、
のちにジュドーが死の間際に
キャスカに向けて放ちます。

ジュドーがキャスカに
「本気で惚れていた」ことの対比
(ダブルイメージ)として、
グリフィスもまた
ガッツに心底惚れ込んでいたのだという
美しい演出構造が解き明かされています。

「俺の手元(自らの夢の生)にいないのであれば、
いっそ地獄の果てまで巻き添えにして、
自分の生贄として
永久に繋ぎ止めてやる」
という
極限のヤンデレ的エゴイズムがあったからこそ、
グリフィスは狂気と共に
仲間たちをゴッド・ハンド(フェムト)への転生の
贄に捧げることができたのだという、
作品の因果律の
最も深いエモーションに迫る
鳥肌ものの考察解説回となっています。

TOP
error: Content is protected !!