- 2022/11/19
『ベルセルク』断罪の狂信者「モズグス様」を愛さずにはいられない読者の反応
漫画『ベルセルク』の
「断罪篇」に登場し、
強烈すぎる四角いビジュアルと
苛烈な拷問(異端審問)で
読者にトラウマを植え付けつつも、
カルト的な大人気を誇る狂信者モズグス様
(聖鉄鎖騎士団最高審問官)
のキャラクターとしての
完璧な完成度について、
ファンたちが熱く語り合う反応集です。
安易な悪役とは一線を画す、
モズグス様という
「極まった善意が狂気に達した男」の魅力は、
以下のポイントに要約されています。
1. 「100%純粋な善意と信仰」がもたらす底知れない狂気
読者の大半が一致しているのは、
モズグス様は
「宗教や権力を悪用して
私利私欲を貪る悪人」
では決してなく、
「どこまでも100%の善意と、
弱者救済のために行動している
全人である」
という点です。
歪んだ慈悲
彼は本気で人々を
地獄(罪)から救済しようとしており、
彼が下す残酷な拷問や
「火あぶりの試練」も、
すべては神の救いを与えるための
“崇高な刑罰・通過点”
だと確信しています。
自分への甘さは一切なく、
私欲や名誉欲も微塵もありません。
正義や善意に極振りをしているからこそ、
ニュートラルな常識(論理)が
一切通用しない
「一番邪悪で手がつけられない狂気」
を体現しており、
その絶妙なキャラクター造形が絶賛されています。
2. 人間を辞めている戦練(戦闘スタイル)と、唯一の弱点
怪人としての肉体
転生して羽の生えた
「擬似使徒(人もどき)」になる前から、
モズグス様は毎日五体投地
(地面に顔や体を猛烈に叩きつける祈り)
を繰り返した結果、
骨格が四角く変形し、
足の感覚を失っているという、
素の状態で
常人を超越した怪力と頑強さを持っています。
聖書ノーガード
ガッツとの死闘
(断罪の塔のてっぺんのバトル)では、
ガッツの凄まじい一撃を、
肌身離さず持っている分厚い
「聖書」だけで防ぎきりました。
神への絶対的な信仰があるからこそ、
「ここに聖書を置けば絶対に貫かれない」
というノーガード戦法を
躊躇なくやれる
精神の頑強さが格好いいと称えられています。
皮肉な最期
最終的に、
ガッツに敗れた
彼の直接の敗因(急所)となったのが、
彼が最も大切にしていた
「信仰心」
(聖書で防げない箇所への一撃)
であったという展開も、
因果律に満ちた
最高の皮肉として評価されています。
3. 異形の弟子(部下)たちへの本物の優しさと救済
モズグス様が
読者から深く愛され、
様付けされる最大の理由が、
彼が従える
「異形の弟子たち」への接し方です。
差別なき救済
生まれつき醜い姿で生まれ、
社会から激しく迫害されて
心まで荒んでしまっていた
孤児(のちの弟子たち)を、
モズグス様は差別することなく抱きしめ、
引き取って育てました。
言葉の魔力
彼は異形の子らに向かって、
「お前たちの
これまでの辛い境遇や醜い姿は、
すべて神の冷徹な法を執行する
審問官になるために、
あらかじめ神から与えられていた
高潔な『試練(意味)』だったのだ」
と肯定してあげました。
自分の存在を全肯定された弟子たちは
間違いなくモズグス様によって
魂を救われており、
彼らの中には
「友達を庇わない卑怯者は許さない」
という、
モズグス様に仕込まれた
高いモラル(義気)が育っていました。
この私利私欲のない
「本物の慈悲」があるからこそ、
読者は彼を単なるクズ悪役として
切り捨てることができず、
むしろ偉大な超人(異人)として
リスペクトしてしまいます。
4. 祈りによって生き残った民草の美しさ
死後、
モズグス様の肉体は燃え上がりながら
「異形の魔物を退ける光」
(擬似太陽)となり、
暗闇の難民たちを守る
最後の盾となりました。
ガッツやキャスカのように
「神への祈りをやめ、
自分の剣(牙)で抗って生き残る強者」が
ベルセルクの基本ですが、
この断罪篇のクライマックスでは、
ガッツのような
強さを持たない非力な民草たちが、
モズグス様の教え通りに
絶望の中で
ひたすら神に祈りを捧げ続けた結果、
奇跡的に生き残るという結末を迎えます。
「剣を振るって抗う生」と
「祈りを貫く生」の
どちらの生存戦略も
肯定されている
この断罪篇の着地は、
物語として
凄まじい完成度の高さを誇っていると
絶賛されています。
読者の間では、
他作品の極まった独善的キャラクター
『ジョジョの奇妙な冒険』のプッチ神父や
『メイドインアビス』のボンドルド、
『STEEL BALL RUN』のファニー・バレンタイン大統領
と比較されつつも、
「もし世界がもう少し平和で、
マシな教義の宗教であったなら、
歴史に名を残す
非の打ち所がない
高潔な聖人になっていただろう」と、
そのブレない生き様に
惜しみない拍手が送られている、
非常に熱いキャラクター反応集となっています。