- 2023/04/22
三浦建太郎先生による
ダークファンタジーの金字塔
『ベルセルク』が、
なぜ海外で
「文学や芸術の域に達している」
とまで大絶賛され、
世界最大級のデータベースサイト
(MyAnimeList)
の漫画総合ランキングで
長年1位に君臨し続けているのかを
解説した動画です。
文化的背景によって
海外ファンの絶賛ポイントが異なり、
世界中のクリエイター
(特にゲーム業界)
の教科書となっている理由が
以下の5つの観点から
詳しく紹介されています。
1. 文化的背景によって異なる海外ファンの熱狂ポイント
英語圏(アメリカなど)
単純な「勧善懲悪」ではない
アメコミヒーローとは一線を画した
ダークヒーロー像が深く刺さっています。
主人公ガッツの
「不完全で、傷つき、
過ちを犯しながらも
必死に泥臭く
もがき前へ進む」
という人間臭さに、
読者たちは強い共感を寄せています。
フランス
漫画を「第9の芸術」と位置づけるフランスでは、
豪華装丁版が発売されるほど
『ベルセルク』を
一流の芸術・文学作品として
特別視しています。
三浦先生の圧倒的なペンタッチを
ゴッホの筆致に例えたり、
物語の悲劇性を
ヴィクトル・ユーゴーの文学に重ね合わせるなど、
非常に高い芸術的解釈がなされています。
ロシア
ドストエフスキーなどの文豪を生んだお国柄、
本作を
「物語の形をした哲学書」
として読み解いています。
あらがえない運命(宿命論)と
それに立ち向かう
自由意思との対立構造が好まれ、
フォーラムでは
サルトル、カミュ、ニーチェといった
一流の哲学者の思想と
キャラクター
(ガッツやグリフィス)の行動を照らし合わせる
高度な議論が交わされています。
2. 芸術の極致に達した「驚異的な画力」
三浦先生が描く、
・表情
・甲冑の質感
・背景の建造物
・見開きの壮大な戦闘シーンなどは、
もはや
「美術館に飾られるべき絵画」
と称賛されています。
特に歴史的な大転換点である
「蝕」のシーンの禍々しさは
強烈なインパクトを残しました。
海外ファンからは、
その緻密で複雑な構図やアート性が、
歴史的画家のヒエロニムス・ボスや
M.C.エッシャー、ホラー
小説家のH.P.ラヴクラフトらの描く
世界観を連想させると絶賛されています。
3. 西洋ファンタジーの古典要素と独自性の融合
中世ヨーロッパをベースにした
騎士・傭兵・城・ドラゴン・怪物といった
王道のファンタジー要素があり、
海外のファンにとっても
親しみやすい世界観が広がっています。
しかしそこに、
ケルト神話の神秘的要素や
悪魔的な独自デザインを融合させ、
誰にも真似できない
禍々しくも美しいダークファンタジーへと
昇華させている点が
高く評価されています。
4. 哲学的で普遍的なテーマとキャラクター描写の深さ
ニーチェの超人思想とガッツ
神や運命を否定し、
巨大な大剣(ドラゴン殺し)一本を頼りに
絶望を這い上がるガッツは、
ニーチェの言う
「深淵をのぞく時、深淵もまたお前をのぞいている」
の思想や、
過酷な運命に抗う
「運命の反逆者」としての
超人思想を体現していると評されています。
堕天使サタンとしてのグリフィス
純粋な野心から
魔王へと転生した宿敵グリフィスは、
ジョン・ミルトンの
『失楽園』に登場する堕天使サタンや、
シェイクスピアの悲劇
(マクベス、オセロ)が描く
「純粋すぎるがゆえの脆さや、
嫉妬、執着、人間関係の苦悩」
の重厚さと重なると考察されており、
単純な悪役を超えた
カリスマとして海外で愛されています。
5. 海外ゲーム業界の「教科書」となるほどの多大な影響力
『ダークソウル』シリーズへの遺伝子
世界的ヒットを記録した
『ダークソウル』や
『エルデンリング』などの開発元
(フロム・ソフトウェア)は、
三浦先生に足を向けて寝られないと言われるほど
本作の影響を色濃く受けています。
劇中に登場する鎧のデザイン
(アルトリウスの鎧=狂戦士の甲冑など)や
大剣(グレートソード=ドラゴンころし)といった
ビジュアルの模倣だけでなく、
「勝てなさそうな
強大な絶望(強敵)に立ち向かい、
もがきながら
何度も挑戦して
少しずつ道を切り開いていく」
という
死にゲーのゲームプレイ体験そのものが、
ガッツの歩んできた
壮絶な生き様(もがき)と
シンクロしていると評価されています。
最近でも『ディアブロ4』との
公式コラボが発表されるなど、
世界のゲーム業界の
一つの指標となっています。
三浦建太郎先生が亡くなられた際には
世界中のファンが絶望し
追悼しましたが、
現在はお弟子さんたちが
先生の意志を継いで
物語の続きを紡いでおり、
「人生で辛いことがあった時は、
どれだけ過酷でも
もがき続ける
ガッツの姿を思い出して
心の支えにしている」
という、
世界中の読者にとって
生きる指針にさえなっている
偉大な名作としてリスペクトされています。