- 2022/09/10
漫画『ベルセルク』の
最新第385話の展開に基づき、
精神世界の修行(ストゥーパ内)から生還した
ガッツの劇的な変化や、
相棒パックの残した意味深なセリフ
「繋がっちゃったんだ」
の真の意図について
最速でディープに解説・考察している動画です。
1. 最新第385話のあらすじ・ネタバレ
ストゥーパからの生還
前回、
精神世界の最深部
(自らの出生の原風景)で
「生まれ直し」
を体験したガッツ。
外で待機していたシラットやダイバ、
イシドロたちがガッツの安否を激しく心配する中、
ガッツは完全に迷いや憂いが削ぎ落とされた、
かつての「黒い剣士」時代のような
鋭い目つきを取り戻して
ストゥーパから立ち上がります。
視覚の変異と圧倒的な怪力
本来なら光が一切届かないはずの
ストゥーパの
「完全な暗闇」であるにもかかわらず、
ガッツの目には
周囲の景色がハッキリと見えていました。
さらにガッツは、
塔の重く分厚い石扉を
軽々と押し開けて外へ出ると、
自らを繋ぎ止めていた
片手の鎖を純粋な握力(力)だけで
簡単にバラバラに破壊・粉砕してみせ、
周囲の兵たちを圧倒します。
パックの不穏な確信
無事に戻ったガッツの姿を見て
周囲が安堵・驚愕する中、
妖精のパックだけは
ガッツのただならぬ変化の本質を見抜き、
心の中で意味深な言葉を呟きます。
「そうか……ガッツ、繋がっちゃったんだ……」
ガッツは朝日を浴びながら、
相棒のパックに
「さあ、行こうぜ」と告げ、
まるで作品の原点(第1話)に戻ったかのような
最高にかっこいい復活のシーンで幕を閉じました。
2. ガッツが手に入れた「覚醒」の正体
動画では、
ガッツが単に
肉体的にパワーアップしたわけではなく、
「己の本質(出生の秘密)を完全に認識したこと」
が変異の理由であると考察しています。
前話で
炎の女性(フローラ的な超越存在)が告げた通り、
ガッツは
現世(うつよ)と
幽界(かくりよ)の
本来交わらないはずの領域から生まれた
「狭間のもの」でした。
これまでガッツは
「ただの人間」として戦ってきたつもりであり、
自分の内側にある
ドス黒い魔の領域(狭間の性質)から
目を背け続けていましたが、
ストゥーパの中で
己のルーツを初めて“見て、知った”ことにより、
現世にいながら
幽界(狭間)の力を当たり前のように
自分の肉体の一部(認識の拡張)として
行使できるようになったため、
暗闇が見えたり、
鎖を握力で壊せるほどの
異次元の覚醒に至ったのだ、
と解説されています。
グリフィスに刃を届かせる前提
妖精島で
グリフィスに剣が全く当たらなかったのは、
ガッツが
「自分はただの人間である」
という階層の常識に縛られていたためです。
ガッツが自らをグリフィスと同じ
「狭間のもの」だと自覚したことこそが、
神の如きゴッドハンドに
物理的な剣を届かせるための
「絶対的な最低前提(資格)」
が整った瞬間であると指摘されています。
※かつてクシャーンで
リッケルトがグリフィスに
強烈なビンタを命中させられたのも、
リッケルト
が使徒や鷹の団の悲劇を
幻だと否定せず、
かといって
グリフィスの光の世界に飲み込まれもせず、
自分の立つ場所(現実)から
グリフィスを拒絶した
「認識の強さ」があったからではないか、
と関連づけて言語化されています。
3. パックの言う「繋がった先」=「土着のアニミズム・精霊世界」説
パックの
「繋がっちゃったんだ」
という言葉は、
決してガッツがゴッドハンドのような
ドス黒い悪魔の闇に堕ちたという意味ではありません。
古代の原始信仰の領域
パック、チッチ、フローラ、
火の精霊といった存在は、
ゴッドハンドや
深淵の神(人間のどろどろとした負の無意識)とは
明確に別の軸にいる、
古き良き自然の神秘を司る存在です。
劇中における世界観は、
法王庁(唯一神の秩序・一神教のドグマ)によって
世界が均一化されていますが、
本来はその外側に
「森には森の神、
川には川の精霊、
土地の神や妖精が
多層的に跋扈する」
という
古代の「アニミズム・土着の精霊信仰の世界」が広がっています。
ガッツがストゥーパの深淵で接続したのは、
まさにこの
「ゴッドハンドに排斥され、
歴史の裏に消えていった、
自然の側にある
もう一つの強大な幽界の全エネルギー」
(精霊世界の源流)
であり、
ガッツは「人間を辞める(使徒化する)」のではなく、
「人間のまま、
精霊世界の神秘と接続して
超常的な力を発揮する
『狭間の戦士』」としての道を
切り拓いたのではないか、
という
極めてカタルシスあふれる
幸福な仮説が提示されています。
4. 三浦先生の晩年の関心と『ドゥルアンキ』とのシンボルの共通性
アニミズムへの傾倒
三浦建太郎先生が
晩年に並行して描き始めていた
神話ファンタジー作品
『ドゥルアンキ』
の存在が引き合いに出されています。
あちらの作品でも
「神の手で泥から作られた主人公(ウスムガル)」や
アニミズム的な精霊・古い神々の
自然世界が大切に描かれていました。
ベルセルク後半へのバトン
三浦先生の中で晩年、
法王庁(秩序の神)と
ゴッドハンドの悪魔のシステムに対抗する
人類のカウンター(希望)として、
「自然やアニミズム、
どちらの属性にも分類できない
境界(狭間)に立つ
神聖な神秘の力」
への関心が非常に大きくなっていた形跡があり、
それがベルセルクのガッツの覚醒や、
月下の少年の持つ
「無垢な神聖さ」の正体へと
ダイレクトに繋がっているのではないかと、
メタ的な視点を含めて
美しく紐解かれています。
【総括】
第385話は、
ガッツの長い絶望のトンネルが終わり、
復讐の
「前提条件」
(グリフィスをぶっ叩く資格)
が遂に整った、
ファン大興奮の歴史的な神回復活回です。
ガッツが
「人間を辞める(モンスターになる)」
という安易な闇堕ちを
完璧に回避しつつ、
パックたちの属する
古代の精霊世界の神秘と繋がることで
最強の「狭間の人間」として
剣を握り直したという、
これ以上ない
最高に熱い新章の幕開けが整理されています。